光り

変わっていく日常の中で 変わらないものは何だろう 目まぐるしく ぐるぐると 刻々と 次々と 日々 世界が変わっていき そして自分も 変わっていった 醜い自分を嫌悪する昼 苦しくて 涙を流す夕方 恐怖で眠れない夜 そんな自分がいたことに 驚いて そんな自分…

贅沢な読書会記~『熱帯』をめぐって④~

bukatsu-do.jp 贅沢な読書会 横浜のイベントカフェBUKATSUDOで開催されている「贅沢な読書会」。 批評家の瀧井朝世さんがモデレーターを務められる二週に渡る読書会で、 一週目は瀧井さんと参加者たちで読書会、 そして二週目にはその課題作品の作者も交えて…

夜明け。

――ある朝を見たときから、それは始まっていたんだ。 ただ1つの奇跡を願って。 僕は夜空を見上げる。 朝は近い。きっと、そろそろ太陽が顔を出し始める頃だろう。 肌寒い。はぁ、と吐いた息は白かった。体をさする。 僕は太陽を待っていた。 たとえ世界が闇に…

沈黙しない読書会と直後の読書会~『熱帯』をめぐって③~

沈黙しない読書会と沈黙しない直後の読書会 ~森見登美彦『熱帯』をめぐって③~ 以前の『熱帯』に関する記事はこちら →森見登美彦『熱帯』をめぐって - パセリ流星群 →森見登美彦と太宰治~『熱帯』をめぐって②~ - パセリ流星群 夏の嵐のように過ぎ去り、冬…

森見登美彦と太宰治~『熱帯』をめぐって②~

森見登美彦と太宰治~『熱帯』をめぐって②~ 前稿(『森見登美彦『熱帯』をめぐって』) は幸いにして多くの方々にご覧いただき、少なからぬ反響を頂戴しました。 本当にありがとうございました。 SNSというものの広大さを改めて思い知るとともに、森見登美…

【本屋大賞】森見登美彦『熱帯』をめぐって【直木賞ノミネート】

~森見登美彦『熱帯』をめぐって~ ※本稿は森見登美彦『熱帯』(2018.11 文藝春秋)に関する感想です。 あまりネタバレはしませんが、多少は作品内容に触れるので、まっさらな状態で楽しみたい方は読み終えてからまたいらしてください!

その1(『ランダム・ウォーク』)

(プロローグはこちら) (*) 自慰をしながら、心のなかに、古い洞窟を思い浮かべる。 それは狭くて、薄暗くて、乾いていて、居心地の良い場所。 人びとは、暴風雨に行き当たった時だけ、洞窟に駆け込んでくる。ひととおり水を落とし、服を脱ぎ、裸の背を…

『ポータブル宇宙』tk

tk『ポータブル宇宙』 ある時、プレゼントに、宇宙をもらった。 「まだ大人とは言えないけれど、子どもというほどでもないから」とお母さんが言っていた。 最近特に大流行りのやつで、皆持っているものだ。ただ、全く同じものはなくて、皆新しい漫画を読む…

op.5 "Life In Rainbow Bubbles"

op.5 "Life In Rainbow Bubbles" 長い長いこの旅は、いったい何色の幕を下ろすのだろう。 赤、オレンジ、黄、緑、水色、青、紫から選んでほしい。 例えば黄なら、幼き夏の日、思い出のひまわり畑。 例えば青なら、一人旅の果てに訪れた、どこまでも遠く空と…

日常。その2

日常で思ったことを、つらつらと。徒然なるままに。 第2弾。 ---------------------------------------- どう足掻いたところで 合わない人はいる なぜなら 自分とは違う人生を歩んできた他人だから だから 一緒にいて疲れない人というのは とても貴重な人だ…

古本祭2018 雑感

本読みの人間にとって、十月の末から十一月初頭にかけてという季節は、心中穏やかではない季節である。 神保町古本祭である。 常日頃から、本の町として名高い神保町に、日本中の古本屋が出店を出し、既存の店舗もいつも以上に力をいれて、大放出を行う。文…

日常。

日常っぽいものを、つらつらと。 ---------------------------------------- 人間を もう数十年やっているが 未だに コミュニケーションというものを どうやればいいか 悩んでいる ---------------------------------------- 笑顔は魅力的だけれど ずっと笑…

op.4 "Words That Swept Away"

op.4 "Words That Swept Away" 瞳を閉じて、耳を塞いで そうして僕は融けていく、遥か夢見た藍色のうちへ 影も形も、自分も世界もない 深淵静寂の幻の果てで 僕はいったい、何に言葉を奪われたのだろう 何一つとして僕を脅かすもののないこの水底で どうして…

たましいのふるさと

どうかどうかあなたさまのお声を私にください。あなたさまの綺麗な指を私にください。私は名もなき魑魅(すだま)です。姿形も声もなく、ただ啾々(しゅうしゅう)と吐息をこぼして泣くばかり。あなたさまの琵琶を奏でるお手があれば、あるいはあなたさまの朗々…

『鏡』『たんぽぽ』『仮面』

寄せ集めたち① 掻き毟るような憎悪を抱え 怒りの拳を叩き付ければ 割れた鏡の向こう側で 「キミ」が嗤った気がした 手から滴る赤いものは 自分が流した心の涙か 床に散らばる破片たちは 自分の壊れた心の代わりか 割れた鏡の向こう側で 「キミ」が嘲笑(わら…

パセ流に関する動画が公開されました!!

文学を冒険するYouTuberムーさんとパセリ流星群のコラボ! YouTubeで、文学や音楽に関する発信をなさっている「文学を冒険するYouTuber」ことムー(小野修)さんのチャンネルに、パセリ流星群がお邪魔しました!

op.3 "Iron Tear Tells Me Heart"

op.3 "Iron Tear Tells Me Heart" 歯車の軋む音がした。 視界の端から、ゆっくりと歪んでいった。 空回りするモーターの音で、掠れた声が掻き消される。 螺子の弾ける音がした。 力なく伸ばした腕は、もう何も掴むことはない。 小さな傷が肥大化し、存在意義…

白洲正子とわたし

白洲正子との出会いは高校時代にさかのぼる。当時から読書感想を通じてつながりあう「読書メーター」というSNSを利用していた私は、白洲正子の『かくれ里』の存在を知り、地元の書店でちょっと奮発して講談社文芸文庫の『かくれ里』を手元に迎えた。 かくれ…

若いころの話(1/3)

若いころの話 これは私の師というべき御方から語っていただいたお話である。まだまだ肌寒い三月のしっとりとした昼下がりに、先生はその話をしてくださった。人生の岐路に立たされた人間というものは、見るもの聞くものをすべて自分にだけこっそりと与えられ…

木材の奇妙な対話 第1回「俺はジャイアン、ガキ大将!!」

こんにちは、蒼宙たるるです。 いつもパセリ流星群及びたること出張版をご覧いただき、誠にありがとうございます。 さて今回は「木材の奇妙な対話」と題しまして、私の大学学部の友人、木(き)氏との哲学的対話、もとい拙い雑談をお届けしたいと思います。 …

op.2 "Shuttered Eternity"

op.2 "Shuttered Eternity" カメラのシャッターを切るように、絵には小さくサインを そこに視界を、閉じ込めるために。 寝る前に部屋のカーテンを閉めるように、物語には閉幕の刻を。 その感情に錆びを、与えないために。 この頭上に広がる天空さえも、無限…

女郎蜘蛛の男

文士稼業も楽ではない。あのお方に見初められて早七年、今際の際を看取った折りにこの筆を託すと仰せられて、筆塚に埋め損なった筆だけが私の形見となりました。四宝といえば筆に硯、墨に紙と申しますが、もっとも大切な硯は奴が貰い受けましたから、私は筆…

AM11:11

『出会い』『戀』『夏』

『出会い』 色んな人との出会いが、私を変えていく。 色んな人との出会いが、私の色を変えていく。 様々な価値観と、想いと。それはまるできらきらと光る風のように。 私の前を通り過ぎては、私の中に“何か”を残していくのだ。

op.1 "Chiaroscuro Borderline"

op.1 "Chiaroscuro Borderline"(7/29 更新) どうして私たちは、黒を憎もうか。 朱き血の通ったこの身体も、 碧く広がる海も、 黄金色に輝く太陽さえも、 あの、吸い込まれそうな夜の色から、生まれたというのに。 いつかやがて、全てが融けあい、黒に成り果…

プロローグ(『まゆずみのふもと』)

プロローグ ワタナベ スケザネ 霊水沸きいづれりと語り伝えられる霊峰は、今ではその山麓に無作法な風穴を空けられていた。響きわたるのは間延びしたタイヤの音ばかりでなく、往時の武者たちの慟哭と怨言も山鳴りの轟となってこだまする。

『きみを わする』tk(2/2)

tk『きみを わする』(2/2) 前半はこちら『きみを わする』(1/2) 幕間にて(モノローグ) 境界線を浮かばせて、いつ来た水際に男はまた身を置いた。 以前男はここで、死を思った。自らが死ぬことで世界は何が変わるだろうかと。その事を想像する…

『きみを わする』tk(1/2)

tk『きみを わする』 序 あの日彼は東京湾の揺らめく水際を。 思えば、最初からそうだったのかもしれない。

プロローグ(『ランダム・ウォーク』)

夢と思い出は、とてもよく似ている。 僕たちが、記憶の選択という点に関して、決定権を持たないという意味において。 夢は五感を欠いた偽物の体験であり、心に留めようと念じれば念じるほど、蒸発するかのように消えていってしまうものだし、思い出について…

『傷』『かわいくなりたくて』『あなたに。』

『傷』 人は他人に傷付けられたことは覚えているのに 自分が他人を傷付けていることは知らない。