まゆずみのふもと

プロローグ(『まゆずみのふもと』)

プロローグ ワタナベ スケザネ 霊水沸きいづれりと語り伝えられる霊峰は、今ではその山麓に無作法な風穴を空けられていた。響きわたるのは間延びしたタイヤの音ばかりでなく、往時の武者たちの慟哭と怨言も山鳴りの轟となってこだまする。